時々空中へ舞ひ上がつてゐる。

好きなものについて考え続け脳内迷子のパラノイア雑記

『春の鳥』国木田独歩

 "六さん"と読む時に必ず脳内で「Roxanne」が再生されるわたくし。

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『春の鳥』国木田独歩.フォローさせていただいてる方のとこで"六さん"の話題が少し出ていたのでもいちど読みたくなったのですよ。豊後佐伯町で教師を始めた「私」と、ひとりの少年の話。下宿先となる田口の主人からある相談を受ける。主人は、先に「私」が城山の頂上で会っていた六蔵という不思議な十一歳の少年と、その姉、母の三人を引き取り暮らしていた。六とその姉が白痴であること、学校でうまくやれず退学したということ。そのため教育をしてやって欲しい という話。母親からもお願いされ、「母親もまた白痴に近いだけ、私はますます哀れを催し」引き受けることにする。ーーー<「私」から見た六さん>.*数の観念が欠けている*山登りが上手で腕白、いたずらもよくする*すぐ泣き叫ぶがそのことを忘れまたすぐ笑うそして、 *歌を歌う「寂々として満山声なきうちに、何者か優しい声で歌うのが聞こえます、見ると、天主台の石垣の角に、六蔵が馬乗りにまたがって、両足をふらふら動かしながら、目を遠く放って俗歌を歌っているのでした。空の色、日の光、古い城あと、そして少年、まるで絵です。少年は天使です」 ..*鳥が好きだが、百舌鳥もひよどりも白さぎも「からす」と言う。「百舌鳥の飛び立ってゆくあとを茫然と見送るさまは、すこぶる妙で、この子供には空を自由に飛ぶ鳥がよほど不思議らしく」ーーー."教育"は一向進まないまま日々ともに過ごしていたが「ある日朝から六蔵の姿が見えません、昼過ぎになっても帰りません、ついに日暮れになっても帰って来ません」。そして「私」は天主台の石垣の角の真下に落ちていた六の死骸を発見する。..「あまり空想だと笑われるかも知れませんが、白状しますと、六蔵は鳥のように空をかけ回るつもりで石垣の角から身をおどらしたものと、私には思われるのです」..「石垣の上に立って見ていると、春の鳥は自在に飛んでいます。その一つは六蔵ではありますまいか。よし六蔵でないにせよ、六蔵はその鳥とどれだけちがっていましたろう」..#読書 #読書記録#books #bookstagram#国木田独歩#春の鳥#青空文庫