時々空中へ舞ひ上がつてゐる。

好きなものについて考え続け脳内迷子のパラノイア雑記

『知られざる漱石』小宮豊隆

三四郎をも一回ちゃんと読みたいなと思い。

三四郎の他の登場人物も少しずつモデルがいたり漱石本人だったり、漱石の体験したこと、見聞きしたことがいろんなとこに反映されてるってのがわかりながら読むとまた違う面白さがあるかな、とか。

ネタ探しにももってこいだったのかな「木曜会」。

弟子たちに好き勝手なこと話させて、きらりと光るネタを拾ってゆく師匠。

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『知られざる漱石』小宮豊隆..木曜会メンバ。漱石にドイツ語を教授したひと。『三四郎』主人公三四郎のモデル。漱石山房にあったあれこれを東北帝国大学に移し東京の震災から救ったひと。『漱石全集』編纂に携わったひと。.何しろ溢れんばかりの漱石愛。そして、甘えん坊で遠慮知らずで天真爛漫で馬鹿な奴だと漱石には思われ。都度罵倒されながらも可愛がられ。.決して馬鹿ではない。が、漱石先生については「はぁ、好き...無理...」の心境だったのではないのかしら、とか。強いて言うなら漱石馬鹿。.好きすぎて自分のことを知ってほしくて、今日はどうしたこうした、誰と酒飲んだとかまあ漱石先生にとってはどうでも良いくだらないわたくしごとを事細かに手紙に書いて先生に送り閉口されたりしている。."わたくしだけの先生"的妄想ファン筆マメ女子(性別から違いますよ)。..『知られざる漱石』は小宮豊隆が漱石と出会ってからのあれこれがたくさん書かれているのだが、今回は初期の頃、漱石の書いたお手紙についていくつか。漱石の人となりが垣間見られて嬉しい。..あまりにも漱石先生への訪問客が多く、執筆の妨げになると憂慮した鈴木三重吉が面会日を設けたらどうでしょうと先生に提案して発足した木曜会。.漱石自身が木曜会のお知らせを手紙にしたため来て欲しいひとたちに送っている。.「小生來客に食傷して木曜の午後三時からを面會日と定め候。妙な連中が落ち合ふ事と存候。ちと景氣を見に御出被下度候」.第一回木曜会の翌日、高浜虚子宛に書いた漱石の手紙。「拝啓昨日は失敬……今度の木曜にも入らつしやいな。四方太も來るかも知れない。小生元來のん氣屋にて大勢寄つて勝手な熱を吹いてるのを聞くのが大好物です」..頻繁に手紙をしたため、弟子たちに心遣いをしていた漱石。.小宮豊隆は参加当初、先生の前では話せても、内気なため多くの人前ではなかなか話が出来ずに黙ってばかりいた。.その様子を見た漱石が小宮に宛てて「うちへ來る人は皆恐ろしい人ぢやない。君の方からだまつてゐるから口を利かないのだ。二三度顔を合せればすぐ話が出來る」.と、参加者がどんなひとたちかをあれこれ面白おかしく書き連ね、憶する必要はないよと言い、.「こんな氣焔を吐くのも木曜日に君を話させ様と思ふからさ。又來る時は大いに辨じ玉へ忙しいから是で御免を蒙る 以上」。..忙しいと突き放し気味に言いつつ、長々とまたうちにおいでよ君なら大丈夫だよきっとお話できるよ(また会いたいな)と誘ってくるお手紙なんかが憧れのひとから送られてきたらどうよ。.勉強になります先生(何の)。ご多忙にも関わらず自分にこんな熱のこもったお手紙を! て震えるよな。そら漱石LOVEにもなるわ。..小宮さんのお話、まだまだあるのだけれど。止まらなくなるのでまた今度。..#読書 #読書記録#books #bookstagram#小宮豊隆#木曜会#夏目漱石#青空文庫