時々空中へ舞ひ上がつてゐる。

好きなものについて考え続け脳内迷子のパラノイア雑記

『寺田寅彦』和辻哲郎・『備忘録』寺田寅彦

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『寺田寅彦』和辻哲郎・『備忘録』寺田寅彦.和辻哲郎さん。木曜会メンバであり、寺田さんとはその中の学者仲間。互いに影響しあっていて。尊敬の念も持ち。良いなぁ。.和辻さんは『寺田寅彦』でこのように言う。寺田さんは何でもかんでも”あれ、これなんなん?” と気づくひと、と。.「寺田さんは最も日常的な事柄のうちに無限に多くの不思議を見出した。我々は寺田さんの随筆を読むことにより寺田さんの目をもって身辺を見廻すことができる。そのとき我々の世界は実に不思議に充ちた世界になる」..寺田寅彦『備忘録』内の「線香花火」を。以下妄想超訳してんのは点線で囲ってますすみません(誰に謝罪)。.線香花火の火のつき方、燃え方からこと細かに描写されており。やがて花火の燃えるその緩急が音楽の速度と結びつき、「チャイコフスキーのパセティクシンフォニーを思い出す」って。「実際この線香花火の一本の燃え方には、「序破急」があり「起承転結」があり、詩があり音楽がある」。.そして。火花の「二段三段に破裂する、あの現象がいかなる作用によるものであるか」てのは自然科学の重要な基礎問題だな と思い至ったとかで。ーーーー誰か研究したらいいよってみんなに勧誘したのに誰もやってくんないの。オリジナルなのになぁ。しゃあない俺がやるか。でもどうして誰も線香花火を研究しないのかしら。きっと西洋の物理学者が線香花火知ってたらあっという間に学位論文の一つや二つできてるわ。でもやっぱ日本人の手で研究しなきゃだよね。ーーーー相変わらずの発想の飛びっぷりが見事すぎてやばい。.和辻さんが『寺田寅彦』で引用した一節は「線香花火」の最後の一節。「西洋の学者の堀り散らした跡へ遙々遅ればせに鉱石のかけらを捜しに行くのもいいが、我々の脚元に埋もれてゐる宝を忘れてはならないと思ふ」。..『備忘録』はホンマに備忘録らしく、あらゆることにSF(すこしふしぎ)を感じている。「金平糖」のつのつのとか「風呂の流し(三助)」てなんでいるんとか。..「涼味」ーーーー涼味の定量的研究は気象学者と生理学者の共同研究題目になるね。暑い時にお灸据えたり湯を背中へかけたり、それか交互に暑さ寒さを加えたりして涼味の最大を感じるとか、これは実験生理学者の研究題目になるよね。「熱い酒に冷たい豆腐のひややっこ、アイスクリームの直後のホットカフェーの賞美されるのもやはり一種の涼味の享楽だと言う事になる」。精神的涼味の感じ方については心理学者の研究題目になるよね。ーーーーまぁ、"涼しいってなんだ?"を誰か研究しろよおもろいのに という話。..「向日葵」ーーーー「向日葵の花を見ようとするとわれわれの目にはすぐにヴァン・ゴーホの投げた強い伝統の光の目つぶしが飛んで来る」。だから、自分オリジナルの向日葵を描き出すの、難しくね? あ、これ、科学の探究と同じじゃね?ーーーーや、確かにゴッホの向日葵に影響されるかもだけど。「伝統の光の目つぶし」をゴッホが全力で投げてくるの目に浮かぶやんやばいな寺田寅彦。ハマるな。くそう。..#読書 #読書記録#books #bookstagram#和辻哲郎#寺田寅彦#青空文庫