『あの頃のこと Every day as a child』写真：川内倫子

『あの頃のこと Every day as a child』写真：川内倫子文：中村航・是枝裕和・湯本香樹実・佐藤さとる・やまだないと・中村一義・島本理生・堀江敏幸・しりあがり寿..映画『誰も知らない』の写真と、「あの頃のこと」についての短編集。2004年に購入したものだけれど、先日書棚整理してて発見。..みな父が違うこどもたち４人。この世に存在していないことになっている４人。母は家を出て新しい男の元へ行き、やがて送金もしなくなり。こどもたちは長男がコンビニからもらってくる残り物で生活を送る。.母親の存在が絶対である小さな小さな世界。その母親が不在となった今もなお母親の言葉を守ろうとし、母親の言葉を疑うこともできないほどの幼さで。..もしおとなに助けを求めたならば、多分ぼくらは離ればなれにならなくてはいけなくなるから。..長男の静かな眼差しと、何も知らないこどもたちの幸せそうな笑顔。..部屋から出てはいけないという言いつけを守っていたこどもたちが見る世界。ひとりだけ外へ出ることを許されていた長男が見る世界。でもお母さんに内緒で公園に行き４人遊んだ時に見ることができた世界。写真ではその４人を包む周りの世界も切り取られていて。..短編は、堀江敏幸さんの『誕生日について』(『回送列車』収録)と島本理生さんの『遠いとなり』が心に残りました。島本さんの作品、何処にも再録されてないのかな。.島本理生さん『遠いとなり』の一節。.「もし人生をもう一度やり直せると言われても、ふたたび子供時代に戻りたいとはけっして願わないだろう。たしかに幸せな時期ではあったが、同時にいつも、まだ自分で自分の人生をどうにもできないという歯痒さと不安を抱えていた」..#読書 #読書記録#books #bookstagram#川内倫子#写真集#是枝裕和#誰も知らない#中村航#湯本香樹実#佐藤さとる#やまだないと#中村一義#島本理生#堀江敏幸#しりあがり寿