時々空中へ舞ひ上がつてゐる。

好きなものについて考え続け脳内迷子のパラノイア雑記

『入れ子の水は月に轢かれ』オーガニックゆうき

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『入れ子の水は月に轢かれ』オーガニックゆうき.初ミステリpost。ミステリといえば森博嗣ミステリィしかまともに読んでいない我です(偏りすぎなのよ)。本日最長文かもすみません。.こちらは旦那の知人の顧客のお身内の方の作品(遠いわね…)。今回旦那知人が「君にならわかるかもしれない」と託されたと(何)。で、最近目に見えて読書にハマっているご様子の妻に「先に読む?」と渡されたバトン。.旦那知人の仰ることは割と正解。この作品、惜しい。きっとヤマトの方にはいろいろな意味でよく分からないと推察されます。ウチナーにはウケてるのかな。.スは旦那と共に5年ほど沖縄の住人だった”元・島ナイチャー”。のおかげか、この本とても面白かったです。ファンタジーではなく「日常」なのです。フィクションだしミステリだけれど。オススメですが下記理由でどうかなぁ、とも。.*那覇市のガーブ川(我部川)に作られた暗渠(ボックスカルバート)と、その上に作られている「水上店舗」が舞台。水上店舗もガーブ川も実在します。観光客でごったがえしているところに存在するにも関わらずどこか異世界。もともとごちゃごちゃしてて、しかも地下の流れの話。脳内再生がしづらいところ。タモさんが好きなマニアックな世界。.*地主と米軍とCIAと住民との間に転がっている日常。土地と経済と生活と。このどうしてもからみ合わざるを得なかったものが同居し、日々を暮らしてゆく感覚はおそらく読んだときに読み流せない何かしらの違和感を残すのではないか。自分たちの日常にないものに触れるときの入りづらさというか。「全然警察が機能せず、私設探偵ごっこがどうこう」と設定のダメ出しをされてるのも見ましたが、地元警察がうかつに深掘りできない領域かもよ? とか、ね。逆にリアル。.*あふれる日常会話。レビュー低評価の方はウチナーグチに対する解説の不親切さを挙げて分かりづらいと「方言」にスポット当ててリーダビリティがどうとか。それよりステンシルは「沖縄の方々の会話を目で読む」自体に慣れないから引っかかるのかなと推察します。その点では確かにリーダビリティは高くない。.敢えて誤解を恐れずに言うと、沖縄の方は年齢問わず、言葉遣いがあどけなくとても可愛いのです。会話を字で追うだけだと登場人物の個性が曖昧になるかも。.例えば。スが沖縄の職場で「?」と思った上司からの言葉。「一度おうちにあるか見てきましょうね」。これ「俺、一度家にあるかどうか見てくるわ」という意味。上司はダンディな紳士でした。若い兄ちゃんでも、オバァでも多少違えどほぼ同じ言い方です。.また、「〜してる」「やってる」「遊んでる」など、さらっと「い」抜きで話しがちなとこを「〜している」「やっている」「遊んでいる」と、きちんと「い」を発音する。そして語尾に「よ」「さぁ」「ね」などがつくことが多く。.「見てよ。ジョートーなお天気ね。さっきからこっちで飲んでいるよ。昼から飲むビールはとってもおいしいさ」とオジィが話しかけてくる。それへのお返事は「だからね」である。.スの思い込みかもですが、明らかにヤマトゥでは分からないウチナーグチを使わないよう話そうすると、可愛らしく、平易で、一音ずつ丁寧な言葉遣いになられる感じ。スの周りの方が優しかったのかな。.方言と関係なさげな話し言葉にも、読むと違和感を感じる方はいるだろうな と。あのイントネーションで直に会話を聞くとその文体にもご納得いただけるのでは。スは話しぶりを思い出し「おー、これこの感じ」と懐かしさでいっぱいになり。.主人公の駿が沖縄のひとではないので、外からの目線がもう少し際立つのかと思ったけれど、混在しているというか曖昧というか。これも読みづらさに繋がるか。.これ、実写映画化したら一発では。健さん役は藤木勇人さんで監督は岩井俊二さんでどうでしょう。雑多な人間の集まるチャンプルな日常会話で。あの場所で。スワロウテイル的アプローチで。妄想止まらねぇな。とっても良さそうさぁ。.はっ。全然ストーリーについて話していないわ。読んでほしいとこですが。ここはやはり実写化希望。ぜひ。熱いな我。..#読書 #読書記録#books #bookstagram#オーガニックゆうき#入れ子の水は月に轢かれ#沖縄の本#沖縄日常#藤木勇人#岩井俊二#水上店舗#ガーブ川#暗渠#ボックスカルバートああ、リーダビリティて言葉使うの好きじゃない。"スイスイ読める"とかやたら読みやすさを良しとするのってそのひとの知(猛毒警報