時々空中へ舞ひ上がつてゐる。

好きなものについて考え続け脳内迷子のパラノイア雑記

『雪』中谷宇吉郎

まさかここまでナカヤ君にハマるとは。

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『雪』中谷宇吉郎.ナカヤ君。もうナカヤ君としか呼べぬ我です。今回は直球で『雪』。しかし、青空文庫てホンマありがたいね。現代小説メインの方には馴染み薄かもしれませんが。.この文章は、”雪ってなぁに””雪の結晶てどんなんあるん”というような雪あれこれを専門家ではないひとに読んで知ってもらうために書かれている。空から地上に降ってくるまでの話で、地上に降りてからのことはまた別にね とのこと。.ウイルソン・ベントレーさんの話とか(自力でめっちゃ雪の結晶写真に撮ったひと)見てたら思わずこの方の本ポチってしまったわよ。ほかにもさらっとなんで空は青いのか、雲ってなんなん など、こどもを持つ親は必読よ! ていう内容が盛りだくさんでした。スがもし娘に聞かれたらこれ読んでみなされと言って結晶沼に引きずり落とす(できねぇか奴には)。まぁまずは百均のよりも少し上等なコナン君的虫眼鏡を与えようと思う。雪の結晶、虫眼鏡で充分楽しめるのだそうだ。.そういえばスは新たな沼がとか壮大な沼が〜と日頃よく言っていますが、そこまであれもこれも深掘りできるかな とはたと我に返った我です。人生短いね。我の興味の動き、むしろ樹木がどんどこ枝を増やして葉を茂らせ続けるイメージでしょうか。で、実はその根っこが宮本浩次先生っていうとんでもない底なし沼。そもそも近代日本文学を読み直すきっかけになったのは先生ですし。ミヤ、恐ろしい子(誰)。..閑話休題。てか、昭和13年に書かれてて。その頃すでに人工雪つくれたのだねぇと。知らないことばかりに歎息。“人工雪、つくってみた” に至るまでのあれこれやなぜ人工雪をつくりたいと思うのかというところなど、ふわぁ〜てなる(何)。.「われわれの今問題としているのは、天空高く、飛行機も気球も大凧も窺い得ない世界の気象状態を知ろうという欲望である」。で、雪を「人工的に作って見て、天然に見られる雪の全種類を作ることが出来れば、その実験室内の測定値から、今度は逆にその形の雪が降った時の上層の気象の状態を類推することが出来るはずである」。.2019年のいま、上層の気象状態などはきっとすぐにわかるのだろうけれど。それは研究者の弛まぬ努力のおかげなのだけれど。あの頃の知らないことを知りたいと思う気持ち。迷信や言い伝えや「そういうもの」に負けない科学の目を持ち続けることの難しさ。.科学の目と頭を持っていながら、この方も南画を描くなど芸術・文芸にも親しんでおられる。この方の文章、とても清廉で詩的なところが時折ふわっと出てくるところも好き。.では有名な言葉が入っている最後の一節を。.「このように見れば雪の結晶は、天から送られた手紙であるということが出来る。そしてその中の文句は結晶の形及び模様という暗号で書かれているのである。その暗号を読みとく仕事が即ち人工雪の研究であるということも出来るのである」..#読書 #読書記録#books #bookstagram#中谷宇吉郎#人工雪#雪の結晶#青空文庫#ドミトリーともきんす