時々空中へ舞ひ上がつてゐる。

好きなものについて考え続け脳内迷子のパラノイア雑記

『青春の逆説』織田作之助

織田作祭りが止まらない。懐かしい。青い。痛い。うわあぁぁぁぁ。

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『青春の逆説』織田作之助.さて。10月ですがそれはさておこう。もうね(急に)。てか織田作はひとり密かに楽しむものと実は思っていたけれど(そう性癖だから)。織田作は、大学生のころなんか全集みたいなので初読みして。この作品の主人公豹一が、もうね(だから)。..あ、なんかこの子の気持ち手に取るようにわかる、たぶん同じような思考回路なんだろうなってひと知ってる と、あまりのあるあるさ加減に猛烈に悶絶した記憶があり。そう。強烈な「ナーイス自意識ぃ!!」の持ち主、宮本浩次先生の若き時代。かなり初期の、客にもメディアにも山崎さんにも渋谷さんにもまだとんがってハスに構えるくせにふわふわしたこと言ってたころの。あのころは異常なまでに「自尊心こじらせ系男子グランプリ」(が存在したら)ぶっちぎり堂々第一位だったわね…。てか、その当時はリアル若次だったわ(これも四半世紀以上前の話)。かわらねぇな我…(遠い目.ひとの視線を感じるだけであいつはオレをこう思ってるに違いないという恥ずかしさや苛立ちや嫉妬心や情けなさやあれこれを瞬時に(勝手に)思い込み、ならばオレはこう出る、こう返さねばならない と真剣勝負を挑むような覚悟をいちいちしてて、結果はたから見たら謎の言動に突っ走るというね(慈愛の目んで、美青年で。おぼこ顔でサイズ合ってないぶかぶかな上着着て、獣のような目で睨みをきかせて、でも喋ると挙動不審ですぐ真っ赤になって、てのを見て女性陣がきゅうんてなるていう(まんまやんけ生まれ変わりか.どうやらこの主人公毛利豹一は織田作自身がモデル。自身の思考回路を赤裸々に表現してるのだけれど読みやすく面白く。我は読んでて声出して笑うのそんなにないのだけど、これは笑う。なんかリズムというか、文章のタイム感やダイブ具合(何)が町田康ぽい。町田康は織田作に影響受けてる…? んなこたないか。でも、織田作はもしいま生きてたらきっとロックしてる。で、よくぞその心象風景を言葉で書き表してくれたと驚いてね…。なぜそういう言動に出るのか、そのときの心の声をつぶさに描写してくれているので、まあなんともはやめんどうくせいオノコよのう、としみじみ愛おしくなったものです。.あ、詳細は作品を読んでください。こんなん宮本先生ちゃうもんていう方は我を冷笑したらよいです。電波系妄想脳なのでそっとしといて。まぁ、いまの先生は確かに外に突き抜けたのでイメージ異なります。..「俺はしょっちゅう自尊心の坐りどころを探して、苛立っているが、野崎は珈琲一杯の中に胡座をかいてしまうことが出来る。何という違いだ! つまり俺の方がずっと浅ましい存在なんだ」.「(なまじっかお情けに一円ぐらい昇給させて貰って、愚劣な喜び方をするよりは、いっそ永久に昇給しない方がましだ) そう思ってみたものの、矢張り月給袋の中を見ると、なにか侮辱されたような気持がして、ひそかに社長に腹を立てた。が、そんな自分にはさすがに一層腹が立った。(お前も随分卑俗な人間になってしまったではないか)もはや自分は許しがたい存在になってしまったと、豹一はがっかりした。何故こんな風になったのかと考えてみたが、分からなかった」.「彼は赤井の興奮に強いられて、その共鳴を表現することを照れていたのである。芸もなく赤井と一緒に興奮して、青春だ、青春だと騒ぐのが恥しいのである。つまり彼は自分の若い心に慎重になっていたのだ。美しい景色を見て陶酔することを恥じる余り、その景色に苛立つのと同じ心の状態で、彼は赤井の若さに苛立っていたのである。豹一は告白という、青年につきものの行為を恥しく思う男だったのである」.素直に青春を謳歌できず、青春は恥だ悪だくらいの勢いで敵愾心を持ってめっさ揶揄してるけどね、でも実はめっさ青春スーツ着込んでるやん君? ていう。青春の逆説。←そして青春の渋滞..#読書 #読書記録#books #bookstagram#織田作之助#青空文庫#宮本浩次#若次#自尊心の坐りどころを探して てホンマそれ.しかし、豹一にはいなかったけれど。こういうひとには素の自分をさらけ出して心から笑いあえる親友の存在がどれだけ精神安定に必要なのかということをまざまざと思い知らされるわ…。ホンマ出会ってくれて、守ってくれててありがとう。存在が奇跡。#エレカシ#エレファントカシマシ#石森敏行#冨永義之#高緑成治