時々空中へ舞ひ上がつてゐる。

好きなものについて考え続け脳内迷子のパラノイア雑記

『こそあどの森5 ミュージカル・スパイス』岡田淳:文・絵

このひとたちが住んでいる家超好き。ぜひ映像化して欲しいなぁ。

https://www.instagram.com/p/B8EZuzpJZFe/

『こそあどの森5 ミュージカル・スパイス』岡田淳:文・絵.娘(小3)蔵書。このシリーズが図書館の学年必読書になっているとかで、1を借りてハマった模様。とても優しい世界。.主人公の男の子、無口でひと見知りなスキッパーとその森で暮らしている人々との触れ合いが軸になってて、それぞれの登場人物にも焦点が当たって。これ、シリーズ全部読みたいなぁ。こちらは、「カタカズラ」という花の実を粉にしたものを口にしたひとは皆歌って踊り出してしまうという通称「ミュージカル・スパイス」に、森の住人たちが出会ってしまった という話。.前半は森のみんながそれをコーヒーにして飲んで、驚きつつも楽しく困りごとを解決してたのだけど。我は後半で描かれていたおなじ日に起こったもうひとつの話、作家トワイエさんと一緒に雨宿りをしたキツネのやりとりがとても好きで。他に誰もおらず何となく話しかけていたトワイエさんに向かってキツネが突然喋り返して度肝を抜かれる話。..トワイエさんの執筆中の話、「鳥男」。ある日自分が飛べることに気づいた男が、「そうではない」ひとびとからだんだん離れて孤独になっていく。自分でも飛べることが何故だかわからず、ひとからはいつもとは違う目で見られるようになり人前で飛ぶのも憚られ、それでも飛べるのが楽しいという気持ちはあり夜中にこっそりと空を飛ぶ。「苦労しなくても飛べる」男に、空中ブランコ乗りの彼女もそのうち心を閉ざすようになり、彼女から離れることになり...。.それから鳥男はどうなるんだ、とキツネが口を開く。聞くと、そのキツネは誰かの魔法に遭い尻尾が夜になると光るホタルギツネになっていて。その時から人間の言葉で思考するようになったため、仲間に自分の思いを今までのように伝えられなくなり、そのうち離れるようになってしまった、と。カタカズラの実を口にしていたらしく、キツネは自分の思いを歌い出す。.「とおい日のしあわせ なつかしい月日よ もうかえれないあの日 ことばしらぬあのころ」.そして、ほかのやつらは鳥男が「自分たちとはちがうやつだからさ。飛べるってことがなっとくできないんだよ」と言い、それから鳥男はどうなるんだ、結局はひとりぼっちになるんだろ? と聞いてくる。その先の話を考えてなかったトワイエさんは一生懸命考えて答える。そんな鳥男にもわかりあえる存在と出会えます、と。.「鳥男が飛べても、飛べなくっても、鳥男のことを好きだ、わかりあえる、というひとが、あらわれると思うんです。ブランコ乗りでなくってもいい。んん、花屋さんかも、ええ、しれませんし、その、灯台守かも、しれないです。空を飛べるってほど特別でなくて、ええ、いいんです。鳥男を好きになれる、鳥男とわかりあえるってことが特別なんです。そのことだけで、ええ、ええ、じゅうぶんなんです。」.でも、じっと待っててもあらわれない。だからさがしにいくんです。からだじゅうすべての感覚で呼ぶんです。そしていつか呼び返す誰かの声を、すべての感覚で、からだじゅうで、きくのです。..#読書 #読書記録#books #bookstagram#岡田淳#児童書まだまだ自分たちとは違うからそのひとは特別 となる世界。そのうちひとりひとりが特別な存在なのだと自然に寄り添える世界が来てくれねぇかなぁほんまに。