時々空中へ舞ひ上がつてゐる。

好きなものについて考え続け脳内迷子のパラノイア雑記

『槐』芥川龍之介

もう龍さん全集を買うしかないのだろうか。そして耽溺。こないだ独歩の全集買っちゃったしなぁ。場所ねぇなぁ。

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『槐』芥川龍之介槐(エンジュ)という樹についての随想。晩年の作。槐という名は、「石の枕」という一中節を両親が稽古していたのを聞いて覚えたのだと言う龍さん。..その「石の枕」、話がエグい。ーーー一ツ家の婆さんが旅人を金品目当てで殺害する話。石の枕に旅人を寝かせ、上に綱で吊っといた大石を落として頭を割る。ある晩、美しい稚児を泊めた時も同様に殺そうとしたが、自分の娘が身代わりになっていたのを知らずに娘を殺める。すると稚児が観世音菩薩と現れて因果応報を説き、婆さんは池に身を投げる。ーーーその観世音菩薩が現れ出る所が「庭に年経し槐の梢」だとか。一ツ家の婆さん、有名な鬼婆のようです(無知)。稚児が観世音菩薩の化身で、婆さんが身投げした池は浅草寺の姥ヶ池とのこと。娘が丁度殺害100人目だったとも。わー。..龍さんが小さい頃、国芳の浮世絵でこの題材のを見たことがあったから、他の一中節作品より興味を持ったのだと言っている。.『開化の良人』では芳年が出てくるし、浮世絵好きなのだなぁとしみじみ。国芳、いくつかこの婆さん描いてるけれどたぶん龍さんが言ってるのこれかな というのをあげときます。観世音菩薩の服の様子で何となく。.で、実際の槐の樹については、若木の「どこか図案的な枝葉」が「観世音菩薩の出現などにふさはしい」と詩趣を感じてたけど、北京行った時散々見ちゃってぐっと来なくなったの。でも青い実の莢(さや)は今も風流に思う、と。.ステンシルはマメ科の大木が大好物です。槐も好きですが、鳳凰木とかデイゴとかタマリンドとか。鳳凰木は沖縄に住んでた頃、街路樹でやたら生えててとても嬉しかったのですよ。.ちょっと疲れたらすぐ龍さんに寄り道。何故、この頃に槐の話を書き残したのだろう。..#読書 #読書記録#books #bookstagram#芥川龍之介#芥川竜之介#青空文庫#近代文学#歌川国芳#浅茅ヶ原#鬼婆3-4枚目 #槐5枚目 #鳳凰木6枚目 #デイゴ