時々空中へ舞ひ上がつてゐる。

好きなものについて考え続け脳内迷子のパラノイア雑記

『十九の秋』永井荷風

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『十九の秋』永井荷風.娘(小3)が先日「今日は重陽の節句だから菊の花を飾って菊湯に入りたい」と言ってきたのである。あーー、そういうイベント系(何)実はさらっと流しがちの我でいつも娘に悲しがられるのだけれど。今年は9月9日。くそう娘の方がいろいろ詳しい(焦)。二十四節気は暗誦しやがるし。ぐぅ負けねえ。←何対抗意識.ちなみに本日は中秋の名月。娘はモチモチ感がアウトのため月見団子は食べぬ。芋名月の方だな...。で、『柔かい月』読んだしそれ書いてもいいけどありゃ名月ではねぇなと思い、今回は荷風。ここしばらく荷風めいている(何)。..さて。こちらは荷風が十九の秋ごろに上海に行ったことを思い出している随想です。ここで「重陽の節に山に登り、菊の花または茱萸の実を摘んで詩を作ることは、唐詩を学んだ日本の文人が、江戸時代から好んでなした所である。」と記述しています。.荷風はフランスの詩を翻訳されたりしていますが、父親の影響でとても漢詩に造詣が深いです。九月の十三夜に父が詠んだ詩 についても思い起こしていて。ーーーーー蘆花如雪雁声寒把酒南楼夜欲残四口一家固是客天涯倶見月団欒.蘆花(ろか)は雪の如く 雁の声は寒し南楼に酒を把り 夜残らんと欲す四口(しこう)の一家は固より是客なり天涯に倶に見る月も団欒すーーーーー.また、蘇東坡(そとうば)の詩も出てきてて。これは春、シーミーの頃の詩ですが。ーーーーー梨花淡白柳深青柳絮飛時花満城惆悵東欄一樹雪人生看得幾清明.梨花は淡白にして柳は深青柳絮(りゅうじょ)の飛ぶ時 花 城に満つ惆悵(ちゅうちょう)す 東欄一樹の雪人生 看るを得るは幾清明ぞーーーーー.蘇東坡といえば大学勤務時代のペンパルじいちゃんを思い出す。いや漢文学の名誉教授だったのだが。先生方から集まった学会報の原稿をその方にお送りすると、なんでかご自分の箇所のみならず全てにお目を通され、あのカクカクした隷書のような字体で朱を入れ校正しご返送くださって。その時、必ず時候の挨拶とともにステキな雑談とどこからかの詩の引用を一節したためてくださり。いつも我の返事は「わーい先生いつもありがとステンシル超嬉しい(はあと)」的な(おい)。当時の学科長が「あの方は間違いないからMさん(当時の我)も仕事減ってラクでしょ?」とか畏れ多いことをぬかしておられたな...(望郷の念..#読書 #読書記録#books #bookstagram#永井荷風#青空文庫#重陽の節句#十三夜#中秋の名月#蘇東坡本日、こちらは曇り空です。みなさまの町では月が見られますでしょうか。