時々空中へ舞ひ上がつてゐる。

好きなものについて考え続け脳内迷子のパラノイア雑記

『千曲川のスケッチ』島崎藤村

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『千曲川のスケッチ』島崎藤村.長野県小諸で教師生活をした際に藤村が書いた写生文。千曲川周辺の自然の豊かさ、そこでの人々の暮らしが、さらさらと流れるような美しい文章で描かれています。.さらさらと と言いましたが、実際の川の流れとは少し違って。それでも我の持っていたイメージは広くて滔滔と流れる豊かな川だったのですが、作中の千曲川の描写はもっと激しく、藤村が勤めていた学校のあたりでは千曲川は「深い谷底に流れる音を聞く」川で。暑くなると、生徒を連れて泳ぎに出るけれど、水の流れが隅田川とは違う、と。ーーーーーーーー青く澄んだ川の水は油のように流れていても、その瀬の激しいことと言ったら、眩暈がする位だ。川上の方を見ると、暗い岩蔭から白波を掲げて流れて来る。川下の方は又、矢のように早い。それが五里淵の赤い崖に突き当って、非常な勢で落ちて行く。ーーーーーーーーとても力強い、生きている川だと感じさせる描き方だったのを思い出しました。.藤村が暮らしていた小諸市。今回川の決壊で甚大な被害に遭われた長野市、千曲市、上田市より少し南東ではありますが、千曲川沿い。倒木、土砂崩落、冠水などの被害に遭われています。遠く離れてはいますが、長野の他にも各地で多数の河川氾濫が起きていて、改めて水の猛威を感じています。..もうひとつ。『故郷』高野辰之:詞 岡野貞一:曲.高野辰之の故郷は長野県中野市。「かの川」と謳っているのは千曲川の支流である斑川。中野市でも斑川の南にある立ヶ花で千曲川氾濫があったとのこと。斑川がどうなっているのかは報道では聞かれないので氾濫まではされていないのでしょうか。..両親の実家自体は静岡の山奥(長野との県境近く)なのですが、ルーツを辿ると長野に収束されるのです。諏訪のあたりですが。なので勝手に近しく思っていて、一度は訪れたい憧れの故郷なのです。.台風19号で被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。一日でも早い現状復興をお祈りいたします。北陸新幹線車両センタ、上田の鉄橋の復旧、どれくらいかかるのだろう。..#読書 #読書記録#books #bookstagram#島崎藤村#青空文庫#高野辰之#故郷#日本唱歌