時々空中へ舞ひ上がつてゐる。

好きなものについて考え続け脳内迷子のパラノイア雑記

『元日』夏目漱石

 

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『元日』夏目漱石.という訳で(どういう訳か)漱石先生。元日ですし。.朝日新聞から元日(明治43年1月1日)の記事にするから「元日」というお題でなんか書いてと言われたと。んなこと言われてもぶっちゃけ今12月23日ですやん来年のことをさも正月なうみたいに書くのウケるムリ と素直で率直な毒と自虐(何)が脳内いっぱいに広がった漱石先生。その思いをそのまま新年一発目の紙面に炸裂させるというその攻めてる姿勢にシビれと悶絶の止まらない随想です。←新年早々狂ってる我..冒頭。「元日を御目出たいものと極(き)めたのは、一体何処の誰か知らないが、世間が夫れに雷同しているうちは新聞社が困る丈である。雑録でも短篇でも小説でも乃至は俳句漢詩和歌でも、苟(いやし)くも元日の紙上にあらわれる以上は、いくら元日らしい顔をしたって、元日の作でないに極(きま)っている。」.そして以下はステン尻語訳(何それ) ←唐突ねーーーーーーーーまぁでもしょうがないってんで他の皆様は干支の話なんかでお茶を濁しますよ。でもそれダジャレ引き伸ばしたみたいなもんでしょ。要するに、元日とか新年て実質あんま必要ないっていうかどうしてもやらなあかんものでもないというかでねってそもそも論言っちゃいますけど。でもそんな無駄話でも筆を択んだりできるような贅沢言える家業じゃないのでなんとか書きますけどもね。.ちなみに去年はなんも思い浮かばなかったからおととしの元日のこと書いちゃった。虚子が遊びに来たから「東北」て謡をうたったんだけどさ、虚子が鼓を打ち出しちゃったから僕の謡がつられて大崩れしちゃってね、てな話。いやホントの元日(去年)だったらもっと僕の謡が上手くなってた筈だから、その様子をありのままにお知らせしたかったんですよ。でも何しろほら、そう、書いてる時はまだ「元日」じゃなかったし、虚子が元日にくるて決まってもなかったし、そもそも謡をやるかってのも全然未定だったからね。.そしたら今回はまた去年の元日に起きたこと書きなさるんとお思いですか。でもそうすると僕のどうにも恥ずかしいことばっか吹聴することになるんで今の僕に失礼というか侮辱を与えるというかでね。.で、今はネタがなくてつかえたとこです。.まだ家では餅もついてないしお飾りもしてないし普通の平日でね。どうも僕一人先走ってる感じがしましてね。あ、でも書けばちゃんと文面からお屠蘇の香りがしてくるのは別に正月がどうこうではなくて僕がれっきとした物書きだからですけれどもね。世間がもっと元日を平凡な一日としてやり過ごしてくれるなら僕も平常心で楽にこの案件片付けることができるのになぁ、とかね。ーーーーーーーー.とまぁ元日をディスり放題。で、結びはこちら。「昨今の如き元日に対して調子を合せた文章を書こうとするのは、丁度文部大臣が新しい材料のないのに拘(かかわ)らず、あらゆる卒業式に臨んで祝詞を読むと一般である。」..文部大臣出てきた。先生、愚痴だけで乗り切ったけど翌年どうされたんだろう。超気になる。..#読書 #読書記録#books #bookstagram#夏目漱石#青空文庫あけましておめでとうございます今年は我の妄想に拍車がかかること間違いなしな予感がすでにしていますがどうぞよろしくお願いいたします。