時々空中へ舞ひ上がつてゐる。

好きなものについて考え続け脳内迷子のパラノイア雑記

『古事記物語』鈴木三重吉

三重吉兄さーん。

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『古事記物語』鈴木三重吉.児童文化運動の父。「赤い鳥」創始者。そして木曜会メンバにして漱石門下三羽烏のガキ大将。仲間、家族、下の者に対しては仕切り屋でいばりんぼ。かつ門下生には珍しく酒乱で女好きを隠さないひと。ロマンチストで、人を巻き込む力が強く、我儘で神経質。.その姿の根底にある「脆い、傷つきやすい美しさ」を持つ詩人の心と、現実世界と対峙する中での神経衰弱との戦い。弱さを隠し、認めぬ故の傍若な振る舞い。小宮豊隆にはそれが分かるため荒ぶる兄貴分の言動にも激することなく離れることなく共に過ごし。.空想、夢想を形にすることに長けていて。後に漱石先生のことを語るときもつい話に自分の妄想を混ぜてしまったりするのだけれど。その写実的でありながら詩的な文章を世に出したのが漱石で。憧れの金やん(誰)に認められて、家を出入りするようになり、常にその大きな背中を見つめ続けて。.それにしても漱石の器のでかさよ。お弟子さん、多士済々すぎて鼻血出る。.小説はもういい となってしまったのが非常に残念。自分にも他人にも厳しすぎる。勝手に見切りつけないでくださいよとりあえず飯いきましょうて誘いたくなるタイプ。荒ぶってるとこを仲間も皆やれやれって見てたんだろうね。苦しかったね。でも児童文学ではとても偉大なお仕事をされてて。..ええと、そう。古事記物語の話でした。古事記をこどもでも楽しめるように三重吉が砕き直したもの。非常に平易に描かれており、ど素人でも楽しかったです。グロい描写も爽やかにスルーしているし。三重吉の言葉選びや編纂能力、半端ないと思うのだけれど。.さて。有名な倭建命(ヤマトタケル)のくだり。能褒野(のぼの)の地にたどり着いた倭建命が歌った「思国歌(クニシノビウタ)」。ググりまして見つけた古事記原典サイトと、福永武彦『現代語訳 古事記』を参照しました。こちらを三重吉兄さんが脳内変換したらどうなるか。では。どうぞ。. <古事記>夜麻登波 久爾能麻本呂婆 多多那豆久 阿袁加岐夜麻碁母禮流 夜麻登志宇流波斯.又歌曰、.伊能知能 麻多祁牟比登波多多美許母 幣具理能夜麻能久麻加志賀波袁 宇受爾佐勢 曾能古ーーーーーーーーーーーーーー<『現代語訳 古事記』ひらがなはスの後付け>大和は 国の真秀ろば 畳なづく 青垣 山籠れる 大和しうるはし .(やまとは くにのまほろばたたなづく あをかきやまごもれる やまとしうるはし).又、次のような歌をうたった。.命の 全けむ人は畳薦 平群の山の熊白檮が葉を 髻華に挿せ その子 .(いのちの またけむひとはたたみこも へぐりのやまのくまかしがはを うずにさせ そのこ)ーーーーーーーーーーーーーー<三重吉兄さん>あの青山にとりかこまれた、美しい大和が恋しい。しかし、ああ私は、その恋しい土地へも、帰りつくことはできない。命あるものは、これからがいせんして、あの平群の山の、くまがしの葉を、髪に飾って祝い楽しめよ。ーーーーーーーーーーーーーー.もう、三重吉兄さんだなぁ。←気づけば兄さん呼び ←豊隆側兄さんの夢想した脳内ヤマトタケルが歌いあげてんなこれ。好き。.#読書 #読書記録#books #bookstagram#鈴木三重吉#木曜会#夏目漱石#漱石門下三羽烏#小宮豊隆#森田草平#古事記#福永武彦#青空文庫#思国歌#倭建命そろそろ兄さん全集がっつり読みたい。体力も回復してきた。メンタル落ちてるけど。まあ人生折り返し地点と考えれば、これから先まだ長いからあれこれできよう。ひとにも自分にも優しく生きてゆきたい。