時々空中へ舞ひ上がつてゐる。

好きなものについて考え続け脳内迷子のパラノイア雑記

『私の「漱石」と「龍之介」』内田百閒

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『私の「漱石」と「龍之介」』内田百閒.ええと。木曜会メンバ(まだまだ熱いわたくし)。中学時代から漱石を崇拝しており、東京の大学へ出てきて、念願の漱石先生門下に入られた方。.最初に先生のお宅へ行ったのが"木曜日"じゃなくしかもアポ無しだったのだけれど、「幸ひに通されて、上がって見ると小宮豊隆さんが來て居られた。その席で先生から、これからは木曜日に來る様にと云ひ渡された」。.ここにもうっすら小宮さんの"木曜以外にも先生のお側にいて良いひと"感が出ていていろいろ堪らないのですがそれは置いといて。.崇拝し過ぎていたためか、ずっと「恐る恐る」接していて。ご機嫌斜めの時などは「呼吸が詰まりさうで、身動きも出來なかつた」。普段の先生を、何とはなしに怖いと思い続けていた方。のん気な、放置気味の、でも人懐こいというイメージとは少し異なる印象をお持ちで。.その分、お茶目なことをした先生を強烈に覚えておられる。夏目漱石先生渾身の洒落がこちら。.ーーー帝劇の舞臺で、幸四郎がローシーと初めて西洋の芝居を演じた時、一體、幸四郎にそんな事が出來るだらうかと云ふ話になつた。「そりやローシーたらいいかと云へば、かうしらうと敎へるのさ」と先生が云つた。「どうもそんな洒落を云はれては高麗藏(こまぞう)だな」と小宮さんが云つた。ーーー.どうすることもできない(おい)漱石のダジャレに対しての、歌舞伎にも造詣が深い小宮さんならではの返し。てか小宮さんの立ち位置に憧れるステンシルですよ。..何しろ内田さんは漱石物コレクタ。先生の書いた絵や書の数々、反故になった草稿の山、先生所有の蓄音機、万年筆、背広、ワイシャツ、ネクタイなど。しかも服類は貰ってから普通にボロボロになるまで着倒しており。.あれ? コレクタなのに? と少し不思議な気持ちにもなったのだけれど、ようよう読み進めて気づいた。あ、漱石コスのひとなのだね。.文机も、先生がいない時にこっそり寸法を測ってそっくり同じのを作らせてるし、仕事中に締めておられた前掛けの真似もして"漱石スタイル"で仕事してるし。..で。百閒コレクションの白眉がこちら。眉じゃないけれど。.《反故原稿にくっつけられていた漱石先生の鼻毛10本》.『道草』執筆時代のだって。金髪もあるんだよって。ねえ、馬鹿なの?"もう先生のなら何でも欲しいのよわたくし"的ストーカ女子(性別違いますよ)。しかし。原稿に抜いた鼻毛を植え付けるて。まんま『吾輩は猫である』の苦沙彌先生。.内田さんの貧乏借金大王ぶりは凄まじく、せっかくの先生からのお品をいろいろ手離されている。なんか先生に人生をすごく助けられている方。生前は直に借金してるし。漱石はどれも「いいよ」なんだろうね。懐が広いというか、頓着しないというか。..あと、先生が謡を嗜むのや相撲好きなのを心の中で嫌ぁやめてぇと思ってた内田さんとか、まだいろいろあるのだけれど。龍さんとも仲良しな内田さんなのだけれど。面白いひと過ぎて長くなるのでまた今度。..#読書 #読書記録#books #bookstagram#内田百閒#漱石馬鹿#小宮豊隆#キングオブ漱石馬鹿#木曜会#夏目漱石#それぞれの愛の形