時々空中へ舞ひ上がつてゐる。

好きなものについて考え続け脳内迷子のパラノイア雑記

『冬彦夜話 ー 漱石先生に関する事ども ー 』中谷宇吉郎

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『冬彦夜話 ー 漱石先生に関する事ども ー』中谷宇吉郎.先日のpostした寺田寅彦。寅彦さんといえばナカヤ君である。漱石忌を迎えたのでしばらく漱石祭。あれこれと脳内ツリー探索。..この話は漱石先生のことをお話しされている吉村冬彦(寺田寅彦)先生について書かれている。先日postした話を寅彦さんからナカヤ君が直に聞いている風で。ふたりがどれだけ仲良しだったか、寅彦さんがいかに漱石先生のことを思っていたかがよくわかる。.ある日寅彦先生のうちに行ったとき。先生が革の手提げ鞄を持ってきて。中には漱石先生の手紙や絵葉書が山ほど入っていて。それを見ながらつらつらと思い出話をされたそうで。昔いただいたお手紙は実は家の他の手紙と一緒にまとめて燃やしてしまったんだと悔いていらして。 .「『猫』が出て、小宮豊隆君がきて、確か小宮君が三重吉をつれてきたんだったかなあ、何にしても初めは、先生も随分切りつめた淋しい生活をしておられたもので、それだけにその時代の記念になるような手紙を皆燃してしまったのは随分申訳ないことをしたものさ。」.小宮君。三重吉。くぅぅ(木曜会馬鹿の我)。でも誰よりも先に先生の所にいたのは私なのだよ的ほんのりドヤ顔の寅彦さんを見たい。すげぇ見たい。..「君なんか若い人達は夏目先生のものの中でどれが一番面白いかな。僕なんか『猫』や『草枕』のような初期のものの方が好きだ。あの頃の先生は書くのがとても楽しみだったらしいが、晩年になられてからは、もう小説を書くのが厭で耐らなかったように思われた。僕には何といっても楽しみに書いたものが一番性に合うようだ。」.そうね。楽しく書いてるころ。先生のことをよく見てたから分かるのよね。しみじみする。そしてナカヤ君の文章はとても読みやすいのである。引き込まれる。寅彦さんとの会話をよく覚えていらっしゃるなぁ。みなさまの人柄が滲み出てくるのよね。客観的な人間観察と優しい目線が同居してて。..#読書 #読書記録#books #bookstagram#中谷宇吉郎#青空文庫#寺田寅彦#夏目漱石#漱石忌