時々空中へ舞ひ上がつてゐる。

好きなものについて考え続け脳内迷子のパラノイア雑記

『水底の感』夏目漱石

https://www.instagram.com/p/B5812hXFbyJ/

『水底の感』夏目漱石.というわけで(どういうわけ)なんとなくこちら。寺田寅彦宛の端書に書いてあった詩(明治37年)。こちらは手元に残していらしたのね寅彦さん。教え子であり、「厳頭之感」という遺書を残し華厳滝に身を投げた藤村操について、その藤村操の後を追った女性という視点で描いているのだけど。..ーーーーーーーー水の底、水の底。住まば水の底。深き契り、深く沈めて、永く住まん、君と我。黒髪の、長き亂れ。藻屑もつれて、ゆるく漾ふ。夢ならぬ夢の命か。暗からぬ暗きあたり。うれし水底。清き吾等に、譏り遠く憂透らず。有耶無耶の心ゆらぎて、愛の影ほの見ゆ。ーーーーーーーー..『猫』を漱石が書く前。この出来事がそれからの漱石にうっすらと影を落とすことにもなって。元々のひととなりもそうだったのだろうけれど。もしかして、漱石が教え子や門下生にとても慕われている理由である「人間的な大きさ、優しさや寛容」を見せているのはこの出来事の影響もあるのだろうか、とか。.#読書 #読書記録#books #bookstagram#夏目漱石#藤村操#青空文庫#漱石忌