時々空中へ舞ひ上がつてゐる。

好きなものについて考え続け脳内迷子のパラノイア雑記

『ゴールデン・バスケット・ホテル』ルドウィッヒ・ベーメルマンス:作 江國香織:訳

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『ゴールデン・バスケット・ホテル』ルドウィッヒ・ベーメルマンス:作 江國香織:訳.ええと。現イタリア(オーストリア=ハンガリーのメラン)出身のアメリカ人作家。「マドレーヌ」シリーズでお馴染みなのだそうだが未読。あ、図書館の本です。これは江國さん訳というので手に取りました。ついこないだ江國さんが児童書の訳をバリバリやっていらっしゃるのを知り(無知)。.舞台はベルギーの古都ブルージュにある「オテル・ドゥ・パニエ・ドゥオ」。ロンドンから宿泊に来た父と娘二人と、そこで働くひとたちとのとても優しい交流のおはなし。”メートル・ド・テル(ホテルのことは何でも知ってる人)”のムッシュ・カルヌヴァルさんが好き。.こどもたちが「ムッシュ・カルヌヴァルのポケットに何が入っているのか」を見たがると、次々と出して見せてくれる。.*以下はえんび服のポケットの中身*アメリカ行きのすべての汽船の出港予定表・ボートや飛行機や列車の時刻表・ノルウェーやカイロへのパック旅行の予定表・ブルージュの街の地図・ベルギーやイギリスやフランスの紙幣の入った丈夫な革のお財布・小さくて厚ぼったい黒い手帖(お金の収支が記載)・もう一冊の手帖(ベルギーのいいホテルリスト・泊まったお客の住所).他にもずぼんのポケット、えんび服裾の隠しポケット、チョッキの右と左のポケットにも必要なものが用意されている。「鎖のついた時計」と「読書用のまるい片めがね」にぐっときます。.荷物持ちすぎで鞄がパンパンとか、何も持たない暮らしとかそういうのではなくて。何となく、必要で大切なものをスマートに身につけていられるのって素敵だなぁとか思ったり。そういえばこどもっておとなの持ってるものに興味津々だなぁ、とか。.そして、描写がとてもステンシルの肌に合いました。言葉の選び方というか。江國さんの訳した他の児童書が気になるようになりました。しっくりきます。..「この窓から、女の子たちはいま、新しい世界を何もかも ー 新しい言葉、新しいおまわりさん、お菓子屋さん、街灯 ー 生まれてはじめて見ているのです。馬や犬や雲さえも、これまでとちがうものに見えました。」..#読書 #読書記録#books #bookstagram#ルドウィッヒベーメルマンス#江國香織#児童書.ふと思う。ステンシルはこどもにも敬語でお話をするのに抵抗のないおとなが好きです。身分的なへりくだりがどうとかではなく、そもそも人間として対等という意味。なんで相手がこどもってだけで自分が上だと思うのでしょうねおとなって。知らないことやできないことが自分よりもたくさんあるってだけなのにね。それは優劣ではない。